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卒業式 式辞 2016/03/08

 暖かな春の訪れの感じられる今日のこのよき日に、ご来賓の皆様をお招きして、広島学院高等学校第55回卒業式を挙行できますことは、55期卒業生やご家族の皆様、そして私たち教職員一同にとりまして大きな喜びです。また、この55期生の卒業を、卒業50年目をお迎えになった6期生の皆様が、1階席後方から見守って下さっています。ご来賓の皆様、そして6期生の皆様、ご臨席ありがとうございます。
 
 55期生の皆さん、卒業おめでとう。心からお祝いを申し上げます。
 6年前の春、君たちは、少し大きめの真新しい制服に身を包み、おそらく大きな希望と多少の不安を感じながら入学式に臨み、担任の岡本先生、友弘先生、バルマ先生、三谷先生に一人ひとり名前を呼ばれて、広島学院の生徒になりました。それから6年、振り返れば、楽しかったこと、辛かったこと、様々な思い出が脳裏をよぎることと思います。毎日の授業はもちろん、クラブ活動や生徒会活動、体育祭、文化祭、修学旅行、そのほか学校のあらゆる活動を通して、君たちは、多くのことを学び、たくさんの仲間と出会い、逞しい青年に成長して、今日この学校を巣立っていきます。

 君たちが入学した2010年、日本は、サッカーワールドカップ南アフリカ大会でグループリーグを勝ちあがったとか、小惑星探査機「はやぶさ」が地球に帰還した、ノーベル化学賞に2人の日本人の学者が選ばれたといった希望を感じさせてくれるような出来事がたくさんありました。しかし翌年、君たちが中1の学年末試験の3日目を受けたその日の午後、東日本大震災が発生し、福島では原発事故が起こりました。5年経った今でもなお、17万人を超える方が避難生活を送り、辛い思いをされています。福島第一原発では、毎日数千人もの作業員が懸命に廃炉作業を進めておられますが、まだまだ先が見通せない状況のようです。私たちは、物よりも人、量よりも質を大切にしなければならないという当たり前のことを、あらためて思い知らされました。
 一方世界に目を向けても、特にこの数年間は、経済格差、環境問題、難民問題、テロなど、グローバルな観点での解決が必要とされる難題が山積しています。自分たちの目先の利益にこだわればこだわるほど、この試練は大きくなるように思います。

 このように、日本でも世界でも、本当の豊かさとは何なのかという根本的な課題を突き付けられています。こういう時代であればなおさら、自分の専門分野に留まらない幅広い教養が求められます。人と人との繋がりの中に生まれる温かさを自分の活力に変える感性が求められます。真実をしっかりと見て正しく判断ができる理性が求められます。そして、行動に移す強い意志が求められます。
 こういった要求に応えることができるように、君たちは6年間、自己の研鑽と修養に励んできました。これからも、より善いものを目指して一層自分自身を磨いていかなければなりません。そして、新しい時代を切り開いていこうという大きな志を持てば、必ず光は見いだせるはずだと思います。
 「若者の教育は世界の変革である」イエズス会はこの強い信念のもとに、450年以上にわたって世界中で教育活動に携わっています。広島学院で6年間を過ごした君たちも、世界の変革を担う若い力として期待されています。

 ところで、卒業証書授与に先立ち、ヨハネによる福音が朗読されました。その個所を少し振り返ってみます。イエスが十字架上で亡くなる前夜、最後の晩餐を終えて、弟子たちと共にゲッセマネというの園へ向かう途中、もしかしたら実際にぶどう畑を通りながら語った、弟子たちへの別れの説教の一節です。
 ぶどうの木の枝は、その幹にしっかりと繋がっていれば、幹からの栄養分によって命を保ち、さらに成長し、多くの実を結びます。同じように、私たちも「まことのぶどうの木」にしっかりと繋がっていれば、豊かに実を結ぶことができると教えています。
 では、他のぶどうの木ではなく「まことのぶどうの木」に繋がるとは、どのような生き方なのでしょうか。それは、富や名誉、自己満足の追求を人生の土台にした生き方ではなく、愛を人生の土台にした生き方だと言えるでしょう。「互いに愛し合いなさい」これは、イエスが私たちに与えた掟であり、イエスの願いです。
 ささやかなことでも人の役に立つことができたとき、そして特に、立場の弱い人に少しでも喜んでもらったとき、自分自身も喜びのうちにあるということを、私たちは体験的に学んできました。
 ”men for others, with others”は「まことのぶどうの木」に結ばれる実です。希望の光をもたらす実です。

 君たちには、この「まことのぶどうの木」にしっかりと繋がり、ますます自分を磨いて、豊かに実を結んでもらいたい。そして、よきリーダーになって、社会を照らしてもらいたい。よきリーダーとは、人に仕えるリーダー、人のために自分の能力を惜しみなく発揮するリーダー、地位や立場によってではなく自身の生き方によって人を導くリーダーです。
 よきリーダーとなって、それぞれに与えられた場を、正義と平和に満ちた命の輝く社会へと導いてください。君たちの活躍を私たちは楽しみにしています。

 最後になりましたが、55期生の保護者の皆様、ご子息のご卒業おめでとうございます。おそらく保護者の皆様は、ご子息が少年から青年へと成長していく過程で、親離れ、子離れの苦しみを経験されたことでしょう。反抗期まっただ中のご子息に戸惑い、また腹立たしい思いをされたこともあったでしょう。それでも毎日お弁当を持たせ、健康に気遣い、ご子息の成長を願われたことと思います。
 55期生諸君には、今日まで君たちを励まし支えてくださったご家族に、今日、きちんと卒業の報告をし、感謝の気持ちを伝えてもらいたいと思います。
 私からもあらためまして、6年間ご子息の成長をしっかりと見守ってこられた保護者の皆様に敬意を表しますとともに、本校の教育活動に対し数々のご支援ご協力を賜りましたことを、心から感謝申し上げます。6年間、ありがとうございました。

 卒業生とご家族の皆様の上に神様の豊かな祝福がありますよう祈りつつ、式辞とさせていただきます。

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