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講話

20250512 全校朝礼

「見えないものを見る姿勢」

 おはようございます。
 連休明けから今週の言葉には「Serve one another humbly in love(愛をもって互いに仕えなさい)」(Galatians 5:13)が掲げられています。ナガ高生の来校にあたり、選んだ言葉です。明日、ナガ高生は広島学院での滞在を終え、帰国の途につきます。残り2日間、お互い愛を持って支え合って、お互いが「良い出会いだったな」と思える時間を過ごして下さい。

 さて、連休に入る直前には、遠足がありました。普段はなかなか行かない場所で冒険し、新しい仲間もでき、以降、クラスの雰囲気も徐々に打ち解けてきたんじゃないかと思います。
 実は、みなさんが「遠足、楽しかった!」と笑顔で帰ってくることができた舞台裏には、1月からの先生方のコツコツした準備がありました。例えば、中1の先生方は、まだ会ったこともない70期生の顔を想像しながら、
 「どうしたら楽しんでもらえるかな」
 「どうしたら達成感を味わってくれるかな」
と、寒い中、下見に行ったり、議論したり、計画を練ったりして下さっていました。
 もちろん、先生たちはドヤ顔で「俺たち、こんなに頑張ったんだぜ!」などと、今日にいたるまで皆さんにお話をされたことはなかったと思います。なぜなら、それは仕事でもあり、みんなに自然に楽しんでもらえることが一番だと思っておられるからです。

 しかし、皆さんにはそこにちょっとだけ想像力をはたらかせてほしいんです。楽しかった遠足の裏には、先生たちの3か月間の真心のこもった準備があった…それを想像できるかどうかで、見える世界はぐっと変わってきます。
 実は、こういう「見えない真心」、学校生活のあちこちにあふれています。
 朝、中高ホール前に葉っぱが落ちてないのは、守衛さんがみんなのことを思いながら、早朝から掃いてくれているからです。
 下校後、ぐちゃぐちゃだった教室の机が翌朝きちんと並んでいるのは、誰かがみんなのことを思いながらそっと整えてくれているからです。
 家に帰ったら暖かいご飯が待っているのは、おうちの人が仕事や家事で忙しい中でも、みんなの笑顔を思い浮かべながら準備してくれているからです。
 目には見えないけれど、たくさんの人の心が、みなさんの毎日を支えています。それに気づくことができる人は、きっと人に優しくなれるし、自分自身ももっと豊かになれるはずです。広島学院が、そんな思いやりにあふれた場所になってくれたらいいな、と思っています。見えないものも見えるようになると、先生の頭の上の天使の輪も見えるかもしれません。

 今日から中間試験1週間前に入ります。学業第一の期間だからこそ、そんな「見えないものを見る姿勢」を意識して下さい。