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講話

1学期始業式

おはようございます。

 まず、60期生のみなさん、高校入学おめでとう。
 随分簡素な入学式ですが、君たちは義務教育を終え、今日からは自分の意思で学生生活を続けることになります。学校の中でも外でも、高校生として、その責任は大きくなります。また、広島学院の生徒としても6年の後半が始まります。自分の将来について、現実的なこととして真剣に考え始めなければならない時期を迎えています。
 このように、君たちは中3から高1へとただ1つ学年が上がったというだけではありません。広島学院高校の生徒になった重みをしっかりと自覚してもらうために、「生徒心得を守り、心身を鍛え、勉学に励むことを誓います」と書かれた誓約書にサインをして、今日提出してもらいます。この誓約書の言葉をよく胸に刻み、授業をはじめ色々な活動、行事に積極的に取り組んでいこうという決意を新たに、高校生活を始めてもらいたいと思います。

 さて、2018年度が始まります。一昨日の土曜日に、新中1の入学式も無事に終わり、63期生194名が、新たに広島学院のメンバーに加わりました。その63期生から56期生までが、今日初めて一堂に会するに当たって、毎年年度初めに配られる「生活のしおり」の冒頭部分をあらためて読んでみたいと思います。

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 広島学院は、カトリックの人間観・世界観に基づいて、生徒個々の人格が「他者のために生きることを喜びとする」ものへと形成されていくことを目指している。そのために、広島学院の生徒は、中学高校時代の全生活を通じて、学力・体力・精神力を常に研磨しなければならない。広島学院の生徒は、学びの場を通して、しっかりとした価値観を身につけ、自らの判断力に基づいて、真理と正義と平和を希求する円満な人間へと育つことが期待されている。
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 これからの社会は、人工知能に代表されるような科学技術が飛躍的に進歩し、また、グローバル化が否応なく進んでいくでしょう。一方で、日本は、若者の人口は減り、超高齢化の時代を迎えます。10年、20年先がどんな社会になるのか、そこでよりよく生きるために何が必要なのか、なかなか先が読めないと言われます。
 もちろん「men for others, with others に生きる仕えるリーダーを養成する」という広島学院の目標は変わりません。しかし、このような時代にあれば一層、しっかりとした価値観を身につけ、正しい判断に基づき多様な人々と協働して、真理と正義と平和を願い求める人間へと育つことが期待されます。そのために、中学生、高校生としてのあらゆる活動を通して、学力・体力・精神力を鍛えなければならないと「生活のしおり」に書かれています。

 毎日の授業、クラブ活動や委員会活動、学校行事、友達と過ごすひと時も含めて、全てが学力・体力・精神力を鍛える場であり、学びの場です。ここで何をどう鍛えるか、何をどう学ぶかは、一人ひとりの問題ですが、意欲を持って取り組むのと、やりなさいと言われて仕方なくやるのとでは、得られるものはかなり違います。
 その鍛える場、学びの場においてイエズス会の学校が大切にしているのが、マジスの精神です。卓越性の追求ということですが、これは、他の人と比べて優れた者になりなさいというのではありません。学力でも体力でも精神力でも、今の自分に満足せず、もっと成長した自分になりたい、もっと卓越した者になりたいという意欲のことです。
 さらに、1人では難しいときでも、仲間と一緒ならば何とかできるということは、よくあります。生徒みんなが、現状に満足せず、自分をもっと高めていきたいという意欲をもって、互いに切磋琢磨する、学校とはそういうところでなければなりません。

 新しい学年、新しいクラスの始まりですが、マジスの精神のみなぎる学年、クラスをみんなで作っていく、そういう意気込みを持って、新たな一歩を確実に踏み出してもらいたいと願っています。

 最後に1点、お知らせをしておきます。
 みんなにはあまり直接的には関わりのないことかもしれませんが、広島学院という学校を設置、経営しているのは、上智学院という法人です。この学校法人上智学院のトップである理事長が、この4月1日に、髙祖敏明神父から佐久間勤神父に代わりました。髙祖前理事長は広島学院のOBでしたが、佐久間新理事長は六甲学院のOBです。ただ、40年近く前に1年だけ、本校で数学を教えられました。本校ともそういった縁のある方です。私たちの理事長が交代したということを、みんなにも伝えておきます。