コンテンツにスキップ

講話

3学期始業式

明けましておめでとうございます。
 みんなそれぞれに良い冬休みを過ごしてくれたことと思います。また新たな気持ちで、今日から学校生活を始めましょう。

 
 さて、確か1ヶ月ほど前にラジオで耳にしたのだったと思いますが、これから社会に出る若い人に対して、日本の将来に期待が持てるかそれとも不安を感じるかというアンケートをしたところ、大半の人が期待よりも不安を感じると答えたそうです。すでに社会に出て活躍している何人かの学院のOBに聞くと、景気が随分良くなってきたので期待が持てるという人もいました。みんなもこう聞かれたら、何と答えますか。「わからない」とか「興味がない」ではなく、きちんと自分の意見を答えることができないといけません。おそらく、多少景気が良くなったとしても日本の内外を取り巻く状況をみると、若者でなくても期待よりも不安を感じる人が多いのではないか、私も不安を感じてしまいます。何か大変なことが起こらなければいいがと心配になりますが、年の初めに不安をあれこれ口に出すのもどうかとも思うので、ちょっとそれは置いておいて、とにかくこの一年が本当に良い年になるようにしていきたいと思います。
 この「良い年になりますように」というのは「何か幸運がありますように」というのとは違います。もちろん幸運があるといいけども、向こうから幸運がやってくるのをただ待っているだけでは、実際にはあまり良い年にはならないでしょう。自分の方から、良い年になるように行動しなければなりません。

 良い年にするための一つのポイントは、時間の使い方をよく考えることだと、私は思います。今日配られる「翠江会便り」にも少し書きましたが、誰にでも同じように時間は流れています。でも、それをどのように使うかによって、それが質の高い時間にもなるし、ただ流れているだけの時間にもなります。別に勉強をしている時間が質の高い時間で、遊ぶ時間が質の低い時間だと言うのではありません。何をするにしても、はっきりした目的や意識がなく、ただ何となく物事をする、こういうのを「漫然と時を過ごす」と言うのでしょうが、これは質の高い時間とは言えません。このように受身で過ごす時間はなく、この時間を使って自分は何をしたいのか、何を得たいのか、何を学びたいのか、それを意識する、そういう能動的な時間が質の高い時間です。
 みんなの中には、勉強をするにしてもそれがあまり質の高い時間にはなっていない人が結構いるのではないか。ゲームやネットなどを楽しんでだらだらと夜更かしをするのも、決して質の高い時間ではありません。その辺りのことをよく反省しながら、質の高い時間を増やしていく、これが良い年にするためには大切なことです。この一年で、ひとまわりもふたまわりも成長できるよう、そして良い年になるよう、自分の方からしっかりと行動をして、質の高い時間を増やしてもらいたいと思います。

 最後に、高3の生徒に一言話します。センター試験まであと10日ということで、みんな自分なりに一生懸命に準備をし、それこそ質の高い時間を過ごしている毎日だと思います。センター試験でも個別次試験でも、大切な試験で自分の実力を発揮するためには、適度の緊張感と平常心が必要です。その平常心を保つためにも、受験前だからといって特別扱いを望むのではなく、普段とあまり変わらない生活をしてください。いつも通りきちんと登校して、いつも通りの学校生活を送り、下級生の前では高3らしく堂々とした先輩であってほしい。まだまだこれからも、勉強をすればしただけ力は伸びるので、最後まで元気を出して、粘り強く取り組んでください。期待しています。

 それでは、この後しっかりと声を出して校歌をうたい、いい形で3学期を始めましょう。