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講話

2月22日 朝礼

おはようございます。
 高2は昨日から沖縄に修学旅行に行っています。今朝は高1以下の4学年での合同朝礼となりますが、勉強をしなさいという話をします。

 私は、毎学期全ての科目の中間成績と期末成績の分布表を見せてもらっていますが、特に高1以下は全体的に良くない。平均点が低い、悪い点の生徒が結構いる、分布の形が悪いといった傾向が、色々な科目で見られます。ひと昔前に比べて、授業の内容が難しくなってきたとか、試験が難しくなってきたというわけではないのに、試験の成績が悪くなっているという先生方の声を、よく耳にします。生徒の勉強の量や質が、低下しているということなのでしょう。

 勉強に限らずやらなければならない活動に対して、自分から進んで積極的な気持ちでする場合とやらされているという気持ちでする場合があります。積極的な気持ちの方を「自律的」、やらされているという気持ちの方を「他律的」といいますが、当然自律的にやりたいものです。だけど多くの場合は、最初は他律的にやっている活動が、その活動に価値を認めるようになることで自律的にやっていくようになるのだそうです。だから、価値を認めるまで、他律的にでもやり続けなければならない。
 勉強もそうでしょう。興味関心を持ってやりたいけど、そうなるまでは楽しくなくても勉強を続けないと、いつまでたっても興味関心を持つことはできないということです。
 
 ところで、ある教育研究所が、昨年の6月に、高校生が平日学校の授業以外にどれくらい勉強するかを調査しました。対象は高2だったようですが、その調査の結果、全国偏差値が55以上の生徒たち(全国で成績上位の約30%)は、毎日平均してほぼ2時間勉強をしているそうです。今回の調査ではよく分かりませんが、過去の同様の調査では、高校生と中学生とではそんなに大きな違いはないようです。みんなもちょうど同じ頃に生活実態調査をしましたが、それによれば、中2、中3、高1は、平日の勉強時間が平均2時間以上という生徒は半分もいなかったと思います。

 もちろん、何時間勉強をしているかということよりも、どれだけ授業に集中しているか、どれだけ授業を自分のものにしているか、そしてどれだけ質の高い勉強をしているか、そちらの方が大切です。その点について、自分自身を正直に振り返ってもらいたい。だけど、とにかく全国の成績上位30%ぐらいの中高生は、毎日授業以外に2時間程度は勉強をしているということは、意識しておいてほしいと思います。

 そして、この毎日の勉強は、ただ学力を付けたり知的能力を伸ばしたりすることだけが目的ではないと、私は思います。与えられた課題を確実に果たすとか、怠けたいという誘惑に打ち克つ、やるべきことを毎日継続的に取り組むといったことが、人格的の形成に繋がる。それも日々の勉強の大きな目的だと思います。

 テレビや本によく登場する池上彰さんは「人間になるために勉強する」と言っています。池上さんは、どういう意味でこのようにおっしゃっているのか分かりませんが、私は「勉強をして得た知識や技術によってだけでなく、勉強をするという行為そのものによっても、私たちはより成長した人間らしい人間になる」という意味で「人間になるために勉強する」と言いたい。勉強は、頭だけでなく精神をも鍛えるための、言ってみれば修行のようなものです。逃げずに、しっかりとやってもらいたいと思います。