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講話

5月30日 朝礼

おはようございます。
 先週の金曜日から、6人の卒業生と2人のエリザベト音楽大学の学生が、教育実習に来ています。今朝はまず、一人ずつ簡単に自己紹介をしてもらい、代表の人に挨拶をしていただきましょう。

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 実習に来た先生方には、授業はもちろん、学校生活のこと、進路のこと、クラブのことなど、気になることがあれば、何でも積極的に相談してください。実習する先生方にとっても、みんなにとっても、いい3週間になればと思います。

 さて、廊下には「学ぶ」という言葉をずっと掲げてもらっています。雨が降ったり中間試験があったりして、この言葉について何も話ができないまま、1か月近く経ちましたが、その話はまた次の機会にすることにして、今朝は、先週の金曜日のオバマ大統領の平和公園訪問について、少し話をします。

 今回のこの訪問については、色々な立場の人の色々な評価があるでしょう。みんなも、自分なりによく考えてみればいい。私は個人的には、時間は短かったが、様々な政治的制約がある中で、私たちに対してもできるだけの誠意や配慮を見せてくれたと感じています。その点は良かったと思いますが、本当に大切なことは、被爆した方々の思いやその家族の方々の思いを、大統領自身がどのように受け止めるかということでしょう。
 「71年間の苦しみを思えば、一言でも謝罪の言葉がほしかった」という被爆者の声は、もちろん納得できます。「71年はあまりにも長い。今更謝罪されても」という声も、その通りなのだろうと思います。慰霊碑に献花をし祈りを捧げている大統領の姿は、謝罪の気持ちを表している、あるいは「二度と過ちは繰り返しませんから」という決意を表していると受け止めている被爆者もいらっしゃいます。そんな大統領の姿を映したテレビに向かって、涙を流しながら手を合わせている方もいらっしゃいます。そんな姿に、私も目頭が熱くなりました。

 テレビや新聞の報道によれば、オバマ大統領の広島訪問に対して様々な思いはあっても、多くの被爆者は歓迎されているようで、その点が何より良かったと私は思います。この方々は、自分と同じような苦しみを味わう人が二度と出ないよう、核兵器、そして戦争がなくなることを、原爆の犠牲者の思いまで背負って、切に願っておられます。
 こういった被爆者の姿や思いが、正しくそして深くオバマ大統領に伝われば、いつか、今回の訪問が確かに歴史的な訪問であったといえるときが来る、そんな期待を持てるのではないかと私は思います。