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講話

7月4日 朝礼

おはようございます。

 今度の日曜日は参議院選挙があります。今回の選挙から選挙権年齢が18歳以上に引き下げられ、高3は、クラスの中に選挙権を持つ者と持たない者がいることになります。選挙権を得ると、選挙期間中に「選挙運動」といって、自分の推す候補者がより多く投票してもらえるように活動することができます。もちろん選挙運動としてやっていいことといけないことがあるし、18歳未満は一切の選挙運動が許されていません。授業やHRなどで聞いていると思いますが、例えば選挙運動のメッセージをSNSやブログなどで広めることは、18歳以上は許されるが18歳未満はやってはいけない。リツイートして広めることも選挙運動に当たり、18歳未満だと公職選挙法違反になります。選挙が身近なものになった分、こういったことをきちんと知っておかなければならないと思います。
 私たちの年齢は誕生日の前日に1つ加算すると民法で定められているため、今回7月10日が投票日であるということは、11日に18歳の誕生日を迎える人までが、選挙権を持つことになるそうです。選挙権のある高3の生徒は、投票する権利を持っているわけだから、ぜひ1票を投じて、自分の意思や考えを表してください。私の場合は20歳になった年に衆議院選挙がありました。「ロッキード選挙」といわれた選挙で、国中が政治的な関心の高まりを見せたときでした。自分なりに信念を持って投票し、義務を果たしたという気持ちになったことを覚えています。

 さて、今週の金曜日から期末試験ですが、試験が近づいてくると、自分の机の周りを整理したり部屋をきれいに片付けたりする人がいると思います。私もその1人で、何か面倒な仕事を目の前にすると、まず机の周りを片付けたくなる。すっきりとした空間で仕事をする方が、はかどりそうなのでというつもりなのだけども、実は心の奥底ではそうではなく「セルフ・ハンディキャッピング」といわれる行動かもしれないということを、最近知りました。他にも、例えば試験の前に、友達に「自分は全然勉強をしてない」などと言ったり、わざわざ難しい仕事を引き受けたりする行為も、もしかしたらセルフ・ハンディキャッピングかもしれません。
 セルフ・ハンディキャッピングとは、直訳すれば「自分で不利な状況を作る」ということです。こうした行為や主張をあらかじめとっておくことで、実際に失敗しても、自分の能力の問題ではなく自分以外のところに問題があったからだと、自分にも周りにも言い訳でき、プライドを保つことができる。逆にもしもうまくいったら、これだけ不利な状況下でもうまくできたということで、周りからの高い評価を期待することができる。どちらにしてもそれなりにメリットがある。そんな心理状態でのこういった行動を、セルフ・ハンディキャッピングと言います。誰でも気付かないうちに、無意識にやってしまう可能性があるそうです。

 こういった行動は自己防衛のためであって、何となく人間味を感じるし、あまりとやかく言うほどのことではないのかもしれませんが、度が過ぎると周囲に不快感を与えるでしょう。しかも、実際にこんな心理状態では、うまくいくどころか、かえって状況を悪化させる可能性が高くなるのだそうです。きちんと努力すればそれなりの結果が出せるはずなのに、もったいないことです。
 失敗をして周りから低い評価を下されることや、実力のない自分と向き合うことは、多くの人にとっては嫌なことでしょう。私も嫌ですが、嫌ならばそうならないように努力するしかない。先に言い訳を作っておこうとする自分を感じたら、とりあえず「セルフ・ハンディキャッピング」という言葉を思い出してもらうと、少し違ってくるかもしれません。

 3週間前の朝礼で話した「本気でやって、もしできなかったら…」ということが気になって本気になれないということがあるとすれば、それもセルフ・ハンディキャッピングと同じようなことでしょう。
 試験まであと数日しかありませんが、言い訳など考えず、本気になってしっかりと取り組んでください。