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講話

6月19日 朝礼

おはようございます。
 先週の土曜日は、オープンスクールがありました。天候にも恵まれ、多くの方が来校されました。みんなの協力もあって、子どもたちの笑顔や真剣な眼差しが溢れるいい雰囲気のオープンスクールになったと思います。特に当日登校して手伝ってくれた生徒のみんなは、よく働いてくれました。ご苦労様でした。

 さて、定められた時に関する話が続きましたが、今日は聖書からは離れて、もう少し「時」の話を続けたいと思います。時間というものを表すギリシア語には「クロノス」と「カイロス」という異なった意味を持つ2つの言葉があって、それを使い分けて考えるそうです。「クロノス」とは物理的な時間の流れのこと。年月や分秒等すべての人に共通な時間軸上の長さや点で表す時間のことです。私たちが使う時間という言葉は、一般にはクロノスのことです。
 一方「カイロス」については、調べると色々なことが書かれていますが、一人ひとりがそれぞれに感じ取るべき決定的な瞬間とか、その人にとって特別な意味を持っている時間のことです。今週の言葉の「定められた時」というのも、掛け替えのない時間としての「カイロス」を指しています。
 カイロスの方はちょっと分かり難いですが、これはギリシア神話に出てくるカイロスという名の男性神に由来するのだそうです。チャンスを司る神様で、前髪は長く後頭部の禿げた美少年のような風貌とのことです。美少年といわれてもちょっと想像し難いですが、それはともかく、向こうからやってくるカイロスの前髪を掴み損ねたら、慌てて後ろ髪を掴もうとしてももう手遅れで、チャンスを掴む一瞬のタイミングを外すと二度とその機会は訪れないということを表しているそうです。

 毎日の時間の流れの中で、色々なチャンスが結構頻繁にやってきます。だけどよく意識していないと、それに気付かないかもしれない。そして、普段から積極的に挑戦したいという気持ちがないと、チャンスを掴むことはなかなかできません。挑戦しても失敗することもよくあるけども、それはそれで自分をよく知る機会です。失敗を繰り返しても、それを前向きに捉えれば、自分の能力は高められるし、信念を貫く力も育ちます。だから失敗を恐れず、カイロスの前髪をしっかりと掴むことを考えればいい。逃さず掴んで成功や失敗の体験を積めばいい。だけど一方で、チャンスを待つべき時ならば待たないといけないし、疲れたら体を休めたり心を癒したりする時も必要でしょう。そういうことも含めて、今が自分にとって何の時なのかを考えながら能動的に時間を過ごすことが、カイロス時間を大切にするということだと思います。

 もちろん、時間を守る、時間配分を考えるといった、クロノス時間を大切にする姿勢がないと、社会生活は成り立たちません。しかし、時間に追われてひたすら予定をこなしているだけとか、ただ漫然と流れていく時間を過ごしているというのは、クロノス時間の中だけで生きている状態です。時計の針だけが回っている状態です。
 今が何時何分であるか、今日が何月何日であるかを意識することも必要ですが、自分にとって今がどういう時か、今のこの時にどんな意味があるのか、どんな価値があるのか、その時々を自分独自の時間として意識することも重要です。時間の長さではなく質を大切にすることが、人生の質を高め、よりよく生きていくことに繋がるのだと思います。
 自分の過ごしている時間の質についても、よく振り返ってもらえればと思います。