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0922 全校朝礼 「小事に忠なる者は大事にも忠なり」(ルカ16:10) 

 9月も下旬に入りました。夏休みが明け、しばらく経ちましたが、皆さん、学校生活のリズムは整ってきたでしょうか。来週からは10月。そして、間もなく体育祭がやってきます。だんだんと学校全体が一つの方向に向かって動き出す時期です。 
 この時期になると、「体育祭で活躍したい」「次の中間テストで良い結果を出したい」「新人戦で上位入賞を目指したい」といった、大きな目標を掲げる人も多いでしょう。目標を持つことは、自らを成長させる上で非常に大切です。 
 一方で、聖書には次のような言葉があります。 

 「小さなことに忠実な人は、大きなことにも忠実である。」(ルカによる福音書ルカ16:10)

 もしかしたら、まだ夏休みの気分が抜けきらず、少し時間にルーズになってしまったり、机の上が散らかったままになっていたりする人もいるかもしれません。しかし、毎朝の気持ちの良い挨拶、提出物の丁寧な仕上げ、友人や先生、家族との約束を守ること――そうした日々の小さな、当たり前のことを大切にすることから、生活全体を、そして自分自身を、もう一度しっかりと立て直すことができます。 
 大きな結果というものは、日々の小さなことの着実な積み重ねの上に成り立っています。スポーツで素晴らしい成果を出すためには、地道な基礎練習が欠かせません。勉強も同じです。毎日の授業を大切にし、課題や復習に丁寧に取り組むことが、やがて揺るぎない力となります。 

 少し話は変わりますが、各学年の廊下に「今週のことば」が掲示されていますね。これは、書道の中村先生が毎週、心を込めて書いてくださっているものです。私はいつも「一枚をコピーして各学年に掲示してくだされば十分ですよ」とお伝えするのですが、中村先生は、その都度、一枚一枚、学年ごとに書風を変えながら、それぞれの作品を仕上げてくださいます。(ちなみに、今週の作品の中では、私は中学2年生の場所に掲示されている作品が一番好きです。)一つひとつの仕事に対するその真摯な姿勢に、私はいつも感銘を受けています。 

 私たちは、「これくらい大したことではない」と、つい小さなことを後回しにしたり、手を抜いてしまったりすることがあります。しかし、聖書は、そうした小さなことに誠実に向き合う姿勢こそが、人としての大きな信頼につながり、やがて重要な役割を担う人物を育むのだ、と教えています。 

 これから本格化する体育祭の練習では、準備や片付け、仲間と声を合わせること、タイミングを合わせることなど、一見地味に思える活動がたくさんあります。しかし、その一つひとつに忠実に取り組む積み重ねが、当日の大きな成功と、皆さんの感動を創り出すのです。 
 その小さな努力の積み重ねを、神様は、仏様は、あるいは皆さん一人ひとりが信じる大いなる存在は、決して見過ごすことはありません。今日からまた、一日一日を、目の前にある小さなことに忠実に、大切に過ごしていきましょう。