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1006全校朝礼 「義人は七たび倒るるとも、また起き上がる。」

 体育祭が終わりました。今年は小雨決行で、午前中だけの短縮スケジュール。特に高2・高3のみなさんの中には、今日もいろいろな感情を抱えている人もいることと思います。
 与えられた条件の中で全力を出し切る。それが今回の体育祭だったと思います。短い時間でも、声は響き、真心は届き、走りは真剣そのもの。あの皆さんの姿には「広島学院らしさ」があふれていたように思います。何もかも完璧に整った環境ではなくても、工夫して、協力して、ベストを尽くす――それこそ、この学校の伝統、と私は思っています。

 さて、体育祭が終われば、次は中間試験。行事から勉強への切り替え――今日は「心のスイッチ」を切り替える日でもありますよね。

 旧約聖書には、こんな言葉があります。
 「正しい人は七度倒れても、また起き上がる。」」(箴言24:16)

 体育祭で転んだ人、思ったように成果が出なかった人もいたでしょう。あるいは、今まで試験勉強で前に思うように結果がなかなか出せていない人もいるかもしれません。特に中3、高1あたりは、頑張っても報われない勉強の結果に嫌気がさしている人も増えてきているかもしれませんね。けれど、思い出してほしいのは、皆さんは等しく、力のある生徒であること。あの学院の算数の問題を突破してきた人たちなのですから。お恥ずかしながら、私は学院の算数の入試問題を解き切る自信がありません。とにかく、それなりに均一に次元の高い学びの集団の中にあっては、小学校の時のような結果はなかなか出ないのは、ある程度しょうがないことでもあります。壁にぶつかって、転んだまま、自分をあきらめ始めている人、まだまだ人生、始まったばかりですよ。
 大事なのは「転んだ」ことではなく、「起き上がった」こと。何度でも立ち上がる、その強さ、泥臭さが人をつくります。

 体育祭や公式戦で全力を出し切って、自分の体力や技術の限界やのびしろに気づいたように、勉強でも「自分の伸びしろ」に気づくことができます。ですから、この中間試験を「義務」としてではなく、「未来の自分をつくる冒険」と思ってほしいのです。倒れてもいい。7度でも、8度でも。でも、そのたびにまた起き上がれば、必ず成長につながります。小雨の中で迎えた体育祭がそうであったように、与えられた環境の中でベストを尽くす。それが広島学院らしさです。今度は机の前で、その姿を見せてください。

 それでは今日から、新しい一週間、気持ちを切り替えて、元気に始めていきましょう。