講話

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20260408 始業式

おはようございます。そして、新しい学級、新しい学年への進級、おめでとう。いよいよ2026年度、新しい一年のスタート。皆さんの少し緊張しつつも、晴れやかな顔を見ることができて、大変嬉しく思います。

本日に先立って、昨日は中学校入学式が行われました。中3は参列できましたが、他学年は今日が中1とは初対面だと思います。紹介します。中1(71期)起立。ようこそ広島学院へ!(拍手)中1の皆さんは、まだ右も左もわからないと思いますが、迷ったら、ここにいる優しい先輩や先生たちにどんどん聞いてください。中1の皆さん、座ってください。

せっかくなので、71期生への紹介がてら、各学年へ一言ずつエールを送ります。

中2(70期生)の皆さん。ついに一つ下に後輩ができました。「後輩に見られている」という意識を持ってください。皆さんは彼らの最も身近なお手本です。良いお手本になってほしいと願っていますが……悲しいことに「悪いお手本」ほど、すぐに真似されやすいものです。日々の振る舞いに気をつけながら、2年目の学院を楽しんでください。

中3(69期生)の皆さん。いよいよ中学校の最高学年です。中学生の顔として、中学代表者会議などを力強くリードし、後輩たちをしっかりと引っ張っていってください。

高1(68期生)の皆さん。いよいよ高校生ですね。心身ともに一番成長し、悩みも深くなる時期かもしれませんが、それ以上に、高校生としての青春を思い切り楽しんでください。

高2(67期生)の皆さん。部活動や学校行事において、いよいよ君たちが実質的な「最高学年」として学校を動かす番です。君たちの学年は、良い意味でやんちゃで、エネルギーに満ち溢れています。その元気いっぱいのパワーで、この1年を力強くリードしてください。

そして最後、高3(66期生)の皆さん。いよいよ学院生活最後の1年です。君たちは非常にクリエイティブで、面白い発想を持った学年だと私は見ています。この1年は、これまでの集大成であり、最後の締めくくりです。持てる力をすべて出し切り、どうか悔いの残らない1年をやり抜いてください。

さて、この始業式の直前、3日前の日曜日(4月5日)は、キリスト教の暦で最も大切なお祝いの日である「復活祭」、イースターでした。昨日入学したばかりの中1の皆さんには、まだ馴染みがない言葉かもしれません。イースターというのは、十字架にかけられて亡くなったイエス・キリストが、三日目に「復活」したことをお祝いする日です。

と、説明すると何とも難しい話に聞こえるかもしれませんが、大事なのは…「もうすべてが終わってしまった」と思えるような、絶望や死という『真っ暗闇』の中からでも、新しい命が輝き出るのだ、というメッセージです。つまり、「人間はどんな状態からでも、何度でも新しく生まれ変わることができる」という喜びを味わう日がイースターです。

この「暗闇」というものは、決して遠い世界の話ではなく、私たちの日常にもたくさん転がっています。つい先月、3月中旬に行われたWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の熱狂と悔しさを覚えている人も多いでしょう。連覇を期待された侍ジャパンでしたが、準々決勝で強豪ベネズエラに敗れ、世界の頂点には届きませんでした。あれだけのトッププロでさえ、プレッシャーの中で思うような結果が出せず、敗北という暗闇に直面することがあります。ましてや私たちのような普通の人間が、毎日すべて順風満帆にいくわけがありません。

学校生活でもそうです。勉強が急に難しくなってテストでひどい点数を取ってしまったり、部活でレギュラーになれなかったり、あるいは友達と些細なことでギクシャクしてしまったり。「もうダメだ」「学校に行きたくないな」と思うような、小さな、けれど本人にとっては真っ暗闇のような出来事が必ず起きます。

偉そうに壇上でマイクを握っている私だって同じです。いや、むしろ私の方がひどいかもしれません。校長室で一人になった時や、夜、布団に入った時に、「ああああ、何回同じ失敗繰り返しているんだ。俺のバカ、バカ、バカ!!!」と、頭を抱え、かきむしりたくなるようなことが、実は日常茶飯事です(笑)。

・気をつけようと思っていたのにまた余計な一言を言ってしまったとか、
・大事な確認を忘れてしまったとか。

大人になっても、何度も同じ石につまずいては、自分に嫌気がさしています。

しかし、です。そんな自分に嫌気がさすような時こそ、思い出してほしい言葉が「今週のことば」です。
「光は暗闇の中で輝いている。」(ヨハネ1:5)
聖書は「暗闇がなくなってから光が来る」とは言っていません。
「暗闇の『中で』輝いている」と言っています。

「俺のバカ!」と落ち込み、自分のダメなところばかりが見えてしまうその真っ暗闇の中にこそ、実は、昨日とは違う「新しい自分」へと変わるための光が差し込んでいるのです。失敗に気づけたこと自体が、もうすでに光なのです。そこから立ち上がり、新しい自分になれる。やり直せる。そして、桜が咲き誇り、生命が芽吹くこの春という季節は、「大丈夫、君は新しくなれるよ」と、私たちの背中を力強く後押ししてくれます。

今日から皆さんは、新しい学年という「新しい自分」になりました。
「俺のバカ!」と落ち込む日があってもいい。そこから何度でも、新しい自分として立ち上がればいいのです。
どんな時も、光は暗闇の中で輝いています。
この希望の光を胸に、今日からの新しい一年を、共に歩んでいきましょう。

 “FORWARD AGAIN”