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講話

2学期始業式

おはようございます。
 2学期が始まります。多くの学校は、既に8月中に始まっているようですが、本校はできるだけ暑い時期は避けたいと思い、例年通り今日を始業式にしました。新型コロナウイルスの国内の感染拡大は、このところ収まる傾向にあるものの、秋や冬にはまた大きな波が確実にやって来ると言われています。大変なことにならなければと祈るばかりです。
 生徒や先生の間で集団感染が発生している学校もあります。これは、私たちの学校にとっても、決して他人ごとではありません。1学期にも話したように、学校の中は人と人との距離を十分に保つのはどうしても難しいが、マスクをつければ、濃厚接触の状態は避けることができます。今学期も引き続き、マスク着用を心掛けてください。

 さて、このコロナの感染症に関して、感染者やその家族、また濃厚接触者など関係者が、差別や偏見、誹謗中傷を受けているという報道に接することがあります。「コロナ差別」などと言われ、最近テレビや新聞でよく取り上げられています。
 差別とは「偏見などによって、相手を価値の低い者、劣った者として不当に扱うこと」です。実際に、感染者の自宅に石が投げ込まれたとか、塀に落書きをされたといった報道がありました。感染した人が、陰性が確認されて元の生活に戻っても、まるで黴菌扱いされ「コロナを撒き散らかしやがって」などと罵られたといった記事もありました。クラスターの発生した学校の生徒が、公共交通機関の中で、周りから冷たい視線を浴びせられたり心無い言葉をかけられたりしたという話も聞きます。

 感染者の中には、自分の無責任な行動によって感染した人もいるでしょう。そういった行動は非難されるべきでしょうが、非難と差別は違います。どんな場合でも差別は人権侵害であり、あってはいけない。まして、感染者の多くは、それなりの感染対策を取っていたと思います。それでも感染するリスクは、誰にでもあります。
 こういった「コロナ差別」が広がると、差別を恐れ、感染が疑われる症状が出ても、医療機関での受診をためらう人もいるでしょう。そうなると、結果的に、感染が広がるという負の連鎖にもつながります。
 感染症に対して正しい知識の乏しかった時代、ハンセン病などもそうでしたが、感染症の歴史は、差別の歴史であったと言われています。感染した人は、病気に苦しみ、差別にも苦しめられ、体も心も大きな苦痛を受けました。そういった歴史から学ばないといけない。
 感染症を正しく恐れることは必要です。そのために、マスク着用や手洗いの励行、人と適切な距離を保つなどの対策をとることは重要ですが、同様に、感染者やその関係者に、いたわりや励ましの言葉を送り、みんなで困難に立ち向かっていく姿勢も大切です。そのことを、私たちはしっかりと心に留めておきたいと思います。

 コロナの話は以上にして、2学期は体育祭や文化祭などの大きな学校行事があります。ただ、既にお知らせしたように、今年はコロナの感染拡大防止のため、どちらも外部の方はお招きせず、生徒だけの行事にします。本校では初めてのケースで誰も経験したことがありませんが、どんな形のものができるのか、みんなでよく考えて、何とか広島学院らしい行事にしてもらいたいと思っています。

 また、明日から従来通り50分の授業に戻し、18時完全下校とします。高等学校では、1つの授業は原則50分と定められていて、いつまでも45分というわけにはいかないので、2学期からこのように元に戻します。
 なお、この際あらためて確認をしておきますが、夕方5時から6時までは、校内では部活動をしているか、静かに勉強をしている時間です。この時間も含めて、放課後、勉強をする雰囲気を学校全体で、もっと作っていかなければならないと思っています。そのことについて、この後、進路指導部長の八尾先生に話をしてもらいます。

 1学期は、最初の2か月近くが休校だったため、何となくうまく乗り切れなかった人もいたようですが、今学期は、今日から平常通りに始まります。ぜひ、いいスタートを切ってもらいたいと思います。