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講話

6月10日 朝礼

おはようございます。 
 今週の言葉は「挨拶」にしました。挨拶も含めて、礼儀やマナーについて、もう少しみんなの意識を高めてもらいたいと思い、この言葉にしました。

 私は、以前は、生徒と顔があった時に自分の方から「おはよう」とか「さようなら」といった声をかけることを、あまりしませんでした。生徒の方から先に声をかけてくるのが礼儀作法として当然だろうという思いがあったからですが、いつの頃からか、自分からも声をかけるように心がけています。でも、「おはよう」と声をかけても何の返事もない生徒が時々います。運悪くそんな生徒に出会うと、朝から暗い気分になります。

 挨拶のできない大人、挨拶をあまりしない大人もいます。彼らは、そのように指摘されると、きっと「たかが挨拶ぐらいできなくてもいいじゃないか」とか「挨拶は、やれと言われてやるようなものじゃない。必要だと思った時は、言われなくてもする」などと言うでしょう。君達の中にも、「今日は朝から気分がむしゃくしゃしていて、挨拶なんてする気にならない」などと言う人がいるかもしれません。

 でも、挨拶をするというのは、一つの礼儀です。礼儀とは「人に対する気配りや敬意、慎みの気持ちに基づく行動規範のこと」とあります。ちょっとわかりにくいかもしれませんが、要するに「礼儀を知らない人だ」と言われることは「敬意や慎みの気持ちがなく非常識だ」と言われるのと同じことです。だから、挨拶は、「必要に応じてします」とか「そんな気分じゃないからしません」などというものではありません。挨拶は心と心のコミュニケーションなので、「挨拶なんてする気にならない」というようなときでも「おはようございます」という簡単な言葉が、むしろ自分の心を軽くしてくれると思います。

 挨拶の意味を探っていけばそんな事だろうけど、とにかく今日言いたいことは「挨拶をきちんとしなさい」という一言に尽きます。家族にも、知っている先生にも知らない先生にも、学校に来られたお客様にも、登下校の途中で安全指導をしている方々にも。広島学院の生徒は礼儀正しいと思ってもらうためにではなく、近くにいる人、お世話をしてくださっている人に対して、関係を蔑にはしませんという気持ちを伝えるために、きちんと挨拶をしなさい。

 私は、自分ではそんなに挨拶のできない人間だとは思っていませんが、若いころ、家族からよく「そんな怖い顔をせず、もっとにこやかに挨拶ができないのか」と言われました。別に、いやいや挨拶をしていたわけではありませんが、やはり表情が硬くなっていたということは、あまり気持ちがこもっていなかったのかもしれません。挨拶をするときに、少しでも表情を緩めると、本当に気持ちのいい挨拶になります。

 広島学院は「他者のために、他者とともに」を目標にしています。挨拶は、相手を嫌な気分にさせないで、相手とのコミュニケーションを大切にするという、最も基本的な「他者のために、他者とともに」です。クラブ活動などでもよく指導されているようで、きちんと挨拶をする生徒は多いとは思いますが、みんなが、いつでもどこでも誰とでも、気持ちのいい挨拶ができるようになってもらいたいと願って、しばらく「挨拶」という言葉を掲げておきます。