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講話

6月17日 朝礼

おはようございます。
 今日は、マナーについて少し話します。

 生徒指導や担任の先生からよく聞いているように、君たちのマナーについて、時々外部の方からお叱りの電話があります。どんなことで叱られているのか、ということについても、その都度、聞いていると思うので、ここで詳しくは繰り返しませんが、ほとんどが、登下校中の電車やバスの中での態度についてで、あとは、道路の歩き方、自転車の乗り方などです。わざわざ学校に電話をしてこられるということは、かなり迷惑な思いをされているということです。しかも、電話をしてこられるのは、そういう思いをされた方の中のほんの一部でしょうから、君たちの態度に対して快く思っていない人は、実際には本当にたくさんおられるということでしょう。マナーが悪いのは、ごく一部の生徒だとは思いますが、学校としても、大変恥ずかしいし、情けない話です。
 そして、特に気になるのは、叱られている本人たちが、自分が周りに迷惑をかけているということにあまり気が付いていないという点、そして、実際に叱られたときに、その場で謝罪の言葉を出せないという点です。

 私自身も、高校生の時に苦い思い出があります。家族がみんな一晩留守だったときに、友達何人かと、夜遅くまで家で話をしていて、隣の家の人にうるさいと叱られました。きちんと謝りましたが、叱られるまで、隣に迷惑をかけていることには全く気付きませんでした。本当によく気を付けないと、何かに夢中になっていて、周りに迷惑をかけていることに気付かないということは、誰にでもあり得ます。もちろん、気付かなかったから仕方ないというわけにはいきません。気付かないことが、もっとも大きな問題なのです。

 また昔話になるけど、私が中学生の時、ある日の中高別の朝礼に、訓育生といって、登校指導や掃除の指導監督をする委員の高校生が来て、中学生全員に対して、登下校の態度が悪い、挨拶ができていない、きちんとしなさいという話を、かなり厳しい口調でしました。もう40年以上も前のことなので、あの頃、朝礼でどの先生がどんな話をしたかなんて何も覚えていませんが、この先輩の話だけは今でもよく覚えています。
 先週の金曜日、服装検査の前に、高2の風紀委員長がマナーのことを話しました。服装検査の方に気が向いていた生徒もいたようですが、風紀委員長としてきちんと話してくれました。生徒が自分たちでマナーを良くしていこうと呼びかけるのは、大切なことです。電車やバスの中で迷惑になっている下級生を見たら、上級生は注意をして下さい。それは上級生の役目です。注意をしてくれている上級生はいますが、まだまだ少ないようです。もし迷惑になっている上級生を見たら、下級生は、勇気を出して注意するか、または、生徒指導の先生に相談しなさい。

 
 ところで、こういう話になると、「せめて周りの人に迷惑をかけないようにしなさい」ということになりますが、広島学院が生徒に求めているのは、そんなことではありません。迷惑をかけないだけでなく、Men for othersでなければなりません。

 先日広電宮島線に乗っていたときのことですが、ある電停で、ベビーカーに赤ちゃんを乗せたお母さんが電車に乗ろうとしました。その時、車内にいた2人の男子高校生が、さっと降りて、そのベビーカーを持ち上げて、車内に運びました。この2人の高校生にとっては、何も特別なことではなく、ごく自然な行為であるように見えました。みんなも、お年寄りや体の不自由な方、困っている方には席を譲りなさい。助けを必要としている人には、手を貸してください。

 私たちも、この2人の高校生のように、さりげなく、普通に、そんな行動がとれるようになりたいものです。Men for othersという言葉を、いつも心の片隅に置いておけば、少なくとも、マナーが悪いと言われることはないはずだと思います。