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講話

1学期終業式

今日で1学期が終わりますが、この1学期、私がみんなの姿を見て特に嬉しく感じたことをいくつか振り返ってみると、まず、新学期早々のフィリピンのナガ校生との交流です。みんなの歓迎の気持ちとホストファミリーのご協力もあって、ナガ校生にとっても広島学院にとってもいい交流になりました。6月下旬のオープンスクールでは、多くの小学生が楽しんでくれました。その小学生の保護者から、学院の生徒は本当によくもてなしてくれたという感動や感謝の言葉を、あとでたくさんいただきました。
 また、クラブ活動もみんな一生懸命にやってくれたと思いますが、特に登山部の県総体優勝、野球部の春季県大会優勝は、学校としても大きな喜びでした。生徒会も、町内の清掃活動や下校時のバス停の指導、その他色々と自分たちで考えてよくやってくれています。そしてみんなも知っているかと思いますが、つい先日高3のK君が、国際生物学オリンピックで銀メダルを受賞しました。後で表彰をしますが、学校としても大変名誉で喜ばしいことです。このように、学校行事であるいはクラブや色々な活動で、地道に頑張っている生徒の姿に嬉しく感じることの多かった1学期でした。

 
 さて、夏休みが始まります。高3は一生懸命に勉強をするでしょうが、高2以下の生徒も、まずはしっかりと勉強をしてほしい。宿題も多いでしょうが、夏休みは日頃の勉強の不足や遅れを取り戻すチャンスです。
 そして、勉強以外にも、山のキャンプや研修旅行、奉仕活動、部活やクラブの遠征、合宿など、生徒によって色々な計画があるでしょう。また、家族や友人とのプライベートな活動もあるでしょうし、映画を見たり芸術に触れたり、読書を楽しもうという生徒もいると思います。

 そういった学期中にはなかなかできない色々なことを経験するでしょうが、ただ経験するだけでなく、その都度しっかりと思いを巡らし、考えることをしてもらいたいと、この前の朝礼で話しました。あのときは、想像力を磨くという話でした。経験したことについて思いを巡らすというのは、別の言い方をすると、内省をするということです。
 
 内省とは、国語辞典には「自分自身を深く省みること、自分自身の心の働きや状態を観察すること」などとありますが、私なりにもう少し詳しく言うと、まずは経験したことについて、自分はどんなことを感じたかをよく思い出す。例えば、どこに興味を感じたか、なぜ感じたか、何に満足をして何に不満を感じたのか、何が嬉しかったのか悲しかったのかなど、そういった心の動きを振り返る。そして、自分の知識や理解力、想像力を働かせて、経験したことの意味や価値を考える。さらに、その経験が自分の生き方や他の人との関わり方にどんな影響を及ぼすか、といったことまで探るのが内省です。IPの授業で聞いたことがあるでしょう。
 イエズス会の教育では、内省する力を育て、内省する習慣を身につけることを大切にしています。内省することで、次に、もっと高度な意味の深い実践ができ、自分自身の成長にもつながるからです。毎日の学習に対しても、内省をすることで学習したことがより深まるはずですが、そのことはまたいつか機会があれば話します。
 深く内省しなさいと言われてもなかなか難しいかもしれないが、何かを経験したら、せめて、楽しかったとかつまらなかったとかいうだけでなく、もう少し深いレベルで、どのように感じたのかを振り返り、なぜそう感じたのか、自分にとってどんな意味があったのか、考えてみてほしい。そうすることで、経験は生きてくるし、より深く内省する力も付いてくると思います。

 最後にあらためて紹介しておきますが、夏休みに、登山部は、神奈川県の箱根で開かれるインターハイに広島県代表として出場します。悔いのないよう、精いっぱい戦ってきてください。また全国大会ということでは、囲碁部の高2S君は、茨城県で行われる全国高校総合文化祭に、将棋部の中2T君は、山形県で行われる全国中学校選手権大会に広島県代表で出場します。さらに美術部の高3K君は、日韓高校生写真交流の日本代表の一人に選ばれて、日本と韓国で行われる交流活動に参加します。
 この3人も、広島学院の生徒として、そして広島県や日本の代表として、いい経験を積んできてもらいたいと思います。そしてみんなも夏休みならではの経験を積んでください。色々な経験を通じて、一段と成長する夏になればと思います。

 では、9月1日の始業式に全員が元気に顔を合わせることができるよう、事故のないよう健康に気をつけて、いい夏休みを過ごしてください。