コンテンツにスキップ

講話

2学期始業式

おはようございます。
 8月20日の未明に広島市北部を襲った土砂災害では、72人の方が亡くなり、2人の方が依然として行方不明です。私たちのごく身近な所で起こったこの大きな災害によって命を落とされた方々のご無念を思い、ご冥福を祈って黙祷を捧げたいと思います。 
 黙祷・・・

 私たちは今日から普通の学校生活が始まりますが、被災された多くの方々は、それまでの日常生活が突然奪われ、辛く大変な思いをされています。その辛さや大変さは、私たちの想像を超えるものかもしれませんが、それでもそれを想像し、自分には何ができるかを考えて行動に移す、そういう人間でありたいものです。こういうときに、被災された方を狙った空き巣や詐欺のような犯罪が起こっているという話を聞くと、本当に残念だし悲しい思いをします。だけど実際には、多くの人がボランティア活動に参加し、また様々な方面で支援の輪が広がっており、そういうニュースに接すると、少し救われた気持ちになるし、自分も何かをしなければという思いになります。本校の先生や生徒も、何人かがボランティアに参加したという話も聞いています。学校としても、何かお役に立てることがあればしっかりと対応していきたいと思っていますので、その点をみんなにもよろしくお願いをしておきます。

 この広島にとってさわやかな話題を提供してくれた1つが、このところ全国のニュースでも取り上げられている、軟式野球の全国大会での崇徳高校の頑張りだと思います。崇徳高校にとっては、この全国大会に向けた県大会の1回戦で広島学院と当たり、延長の末1対0で勝った、そこから始まっているので、私もその後の崇徳高校の結果はずっと気になっていました。みんなも知っているでしょうが、準決勝で4日間にわたって延長50回を戦い、残念ながら負けましたが、その精神力はすごいものなのだろうと感じました。気持ちを強く持つと大きな力になるということを見せてもらったように思います。

 今年の夏も、広島だけでなく、日本各地で台風や豪雨による災害がありました。近年、こういった激しい気象の変化が、世界中で起こるようになってきているそうです。地球温暖化の影響によるという話もよく聞きます。特にこの50年は、気温の上昇速度が加速傾向にある、そしてそれは、人間の産業活動に伴って排出されたガスが主な原因になっているということを、みんなも知っているでしょう。物質的な豊かさをひたすら追い求めることが私たちの幸福につながるという考えを持ち続ける限り、こういった環境破壊を止めることはなかなかできないのだろうと思います。その豊かさの恩恵をすでにいただいている我々がこう言っても説得力はないのかもしれないが、でも何か知恵を出さなければならない。災害の教訓として、防災という面だけでなく、もっと根本的な環境問題についても私たちはしっかりと学ばないといけない、そのことをあらためて強く感じました。

 この夏休みも、後で表彰をしますが、全国レベルで活躍したクラブがありました。そして、多くの生徒が、学校の内外で貴重な経験を積んでくれたことと思います。1学期の終業式でも話しましたが、経験したことをしっかりと振り返りながら内省し、さらに次の実践へとつなげてください。2学期は体育祭や文化祭といった大きな学校行事があります。これらの学校行事にしても、また日々の勉強にしても、ただ与えられたことを何となく果たすだけで毎日が過ぎ去っていくというのではいけない。しっかりと自分の頭で、自分の言葉で考え、そして行動する、そんな2学期になるよう、今日からまた新たな気持ちで学校生活を始めましょう。