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講話

1学期始業式

おはようございます。
 
 57期生のみなさん、高校入学おめでとう。
 3週間前の中学の卒業式でも話したように、義務教育が終わり、これからは自分の意思で学生生活を続けることになります。社会では中学生と高校生とでは大きな違いがありますが、君たちにとっては高校入学と言っても、広島学院での生活の後半が始まるという程度にしか感じていないかもしれません。ですが、後半の始まりというのも1つの大きな節目です。これまでの自分について物足りなく感じていたところを改めるチャンスです。そして自分の将来についても、現実的なこととして考え始めなければならない時期です。
 広島学院高校の生徒になったという重みと責任をしっかりと自覚して、高校生活を始めてもらいたいと思います。

 さて、2015年度が始まります。昨日、新中1、60期生の入学式も無事に終わり、187名が新たに加わりました。その昨日の入学式では、マタイによる福音の「山上の説教」と言われる中の一部が朗読されました。
 「求めなさい。そうすれば与えられる。探しなさい。そうすればみつかる。門をたたきなさい。そうすれば開かれる」
 イエスが群衆の前で、神の国に入るための大切な教えを語られた、その1つがこの言葉です。神の国に入るとは、死んだ後に天国に行くかどうかということよりも、今を本当に心豊かに生きることができるかどうかということだと、私は思います。みんなにとっては、生き生きと充実した学生生活を送るために、「求めなさい、探しなさい、門をたたきなさい」と呼びかけられているということでしょう。そうすれば必ず、与えられ、見つかり、開かれるとこの福音は教えています。

 この言葉を聞くと、求めたら本当に与えられるのだろうかと思うかもしれません。しかしその前に、私たちは本当に求めているか、一生懸命に探しているか、そして門をたたくとは挑戦することだと昨日の入学式で話しましたが、積極的に門をたたいているか、振り返ってみる必要があると思います。
 面倒だから、面白くないからと言って、何もしようとしないこともあるでしょう。だけど実際、勉強にしてもクラブにしても色々な学校行事にしても、自分から動かなければ何も実現しません。行動がないところに結果は訪れません。何もせずにただ与えられるのを待っていても、見つかるのを待っていても、開くのを待っていても、何も変わりません。中1だけでなく、みんなにもこの聖書の言葉をよく味わって、新年度を迎えてもらいたいと思います。

 話は変わって、いくつかのお知らせをしておきます。
 まず、活躍した生徒の紹介ですが、春休みに科学の甲子園に出場した学院チームは、総合成績は全国第4位、実験競技では全国1位で「トヨタ賞」をいただきました。
 また高3のO君とD君が、国際地学オリンピックの日本代表に選ばれました。
 今日は時間がないので、また近いうちに中村先生から詳しい話をしていただき、表彰をしたいと思いますが、彼らも積極的に門をたたいたことが始まりだったと思います。

 さらに、2つのことを伝えておきます。
 新しい講堂と聖堂の建築工事が進んでおり、7月中には完成する予定です。もしかしたら2学期は、新しい講堂で始業式が行われるかもしれません。その新しい講堂の名称は「ペドロ・アルペ記念講堂」、聖堂の名称は「アッシジの聖フランシスコ聖堂」と決まりました。この名称については、建物が完成したら、また話をしたいと思います。
 
 そしてもう1点、HPでも発表されていますが、姉妹校の中高4校と上智大学の法人が合併契約を結び、来年の4月の合併に向けて準備を始めることになりました。学校で働かれるイエズス会の先生が減っていく中で、今まで通りイエズス会との結びつきを保つための法人合併です。法人というのは学校を経営する法律上の組織のことで、合併することによって法人名は「上智学院」に統一されますが、学校名は今まで通り広島学院中学校・高等学校ですし、学校の雰囲気ややり方も今までと変わることはありません。その点は、よく知っておいてください。

 新入生が60期生ということで、それだけでも新しい時代の始まりを感じますが、さらにこの1年の間に講堂や聖堂が新しくなり、法人合併の話もあり、色々な意味で、広島学院は新しい時代を迎えようとしています。ですがやるべきことは同じです。新年度を迎え、また新たな一歩を確実に踏み出してもらいたいと思います。