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講話

11月13日 朝礼

おはようございます。
 11月も半ばにさしかかり、今学期もあと1ヶ月ほどとなりました。体育祭や文化祭といった大きな学校行事が無事に終わり、この1ヶ月は落ち着いて勉強に励んでもらいたいと思います。

 その文化祭に関して人伝に聞いた話ですが、文化講演をしてくださった井出先生は講演の後、校内を見て周った感想を「普段から関心のあることをテーマに沿ってまとめたという感じで、学術的な香りのする文化祭だ」とおっしゃっているそうです。当日は小林篤先生が井出先生を案内してくださいましたが、どこをどう案内されたのでしょうか。でも、このような学院祭であってほしいと思っていたので、そう言ってくださったというのは嬉しいことです。

 もう1つ人伝に聞いたある方の学院祭の感想を紹介します。この方は5歳の男の子のお母さんで、広島学院に対しては、何となく暗いイメージを持っておられたそうですが、知り合いからうどん券をもらったので、息子さんを連れて来られたとのことです。そうするとまず、初めて広島学院に来てどこに何があるのか分からず困っていたら、生徒が笑顔で分かり易く教えてくれた。各サークルの展示物はどれも結構レベルは高いが、小さい子どもでも楽しめるように、よく工夫されていた。前庭のステージもよく準備されていて、自分も楽しんだが、子どもも見入っていた。そして特に生物部と鉄道の部屋では、生徒が子どもの面倒を本当によく見てくれた。さらに帰りのボンバスでも、立っていた子どもに「座ったらいいよ」と言って席を譲ってくれる生徒がいた。私は個人的にはこのボンバスの話が一番嬉しかったのだけど、とにかく、実際に行ってみると、今まで持っていたイメージとは全く違って、明るく気配りができる紳士的な生徒が多い学校だったとのことです。
 このお母さんは、できるだけいいところを一生懸命に見ようとしてくださっていたと思いますが、たくさんの輝く学院生と出会ったのでしょう。男の子は家に帰ってすぐにお父さんに学院祭のことを話し、来年も連れて行ってほしいと頼んだそうです。

 いつも言うように、学院生の公共のマナーが悪いという外部の方からのお叱りの電話をよくいただきます。残念ながら、そのような振る舞いをしてしまう生徒がいるというのは事実です。そんなことがないようにしなければならない。しかし一方で、先ほどのお母さんがおっしゃってくださったように、紳士的な振る舞いができる生徒がいるというのもまた事実です。そしてもしかしたら、マナーが悪いとお叱りを受けている生徒と紳士的だと褒められている生徒は、同じ生徒かもしれません。意識をすればきちんとできる生徒は、たくさんいると思います。常日頃からこういった方々の期待を裏切らない学校でありたいと思います。

 話は変わって、毎年この時期に伝えていることですが、カトリック教会は11月を、亡くなった方のために特別に祈りを捧げる「死者の月」と定めています。カトリックの教えでは、亡くなった方の魂は天国に迎えられ、地上に生きる私たちと神様の間を取り持ってくださる。だから死者のために祈るというのは、その方の魂が天国で安らかに憩いますようにと冥福を祈ることも、もちろん大切ですが、それだけでなく、「自分もいつか必ず死を迎える時が来ますが、そのときまでしっかりと生きていくので、見守ってください」というような、亡くなった方との心の交わりを求める祈りも大切にします。そんな祈りを通して、私たちは、生きるためのより大きな力をもらうことができると、私は思います。

 その「死者の月」に合わせて、今週の土曜日に広島学院関係物故者追悼式があります。この学校と関わりのあった方々で、すでにこの世を去った人たちのご冥福を祈るとともに、この方々から受け継いだ広島学院をしっかりと引き継いでいくという決意を新たにする式典です。みんなにとっては、広島学院の生徒として相応しい生活を送りますという決意を新たにするということです。こういう方々の関わりがあったから今の広島学院があり、私たちがここで学ぶことができるのだということを心に留め、きちんとした態度で追悼式に参列してください。