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講話

5月11日 朝礼

映像は、こちらから。 

 おはようございます。9時になったので全校朝礼を始めます。オンラインということで、いつもと随分勝手が違いますが、校長室から配信するのでしっかりと聞いてください。

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う国の緊急事態宣言が延長され、本校も5月末まで、休校を続けることになりました。3月の初めに突然全国の学校が休校になったときには、まさか休校がこんなに長引くとは、全く想像していませんでした。
 最近になって、国内の新たな感染者の数は減少傾向にあり、経済活動も地域によっては少しずつ再開されています。明るい兆しのようにも見えますが、この後、もっと大きな第2波、第3波がやって来るとか、有効なワクチンが開発されるまで1年や2年はウイルスとの闘いが続くといった話をよく聞きます。今後について、まだまだ厳しい状況を覚悟しておく必要があります。
 特に高3の生徒は、大学受験に向けた大切なこの時期に授業や指導を十分に受けられず、不安や焦りを感じているかもしれません。中1の生徒は、まだほとんど登校する機会がなく、学院生としてどう過ごしたらいいのか戸惑っているのではないでしょうか。他の学年の生徒も、自分の意思で毎日うまくメリハリをつけながら規則正しい生活を送ることの難しさを感じているでしょう。

 だけど、勉強やクラブ活動、友達との付き合いなど、日常の学校活動ができないことを嘆き憤っても仕方がない。今、日本や世界が置かれている現実を受け止め、自分にできることを探してやっていくしかありません。毎日の学習については、オンラインでその日の課題を配信していますが、配信する方にも受け取る方にも、対面の授業とは違って限界があります。それでも、今できる形でお互いに一生懸命にやっていきましょう。
 このオンラインでの配信の1つとして、阿部先生が中心になって「社会人と話そう!~広島学院Zoomおしゃべり会」を、週に1回、企画してくださっています。みんなにも案内が届いているでしょう。せっかくの機会だからぜひ参加してみてください。

 さて話は変わって、4月の中旬に立ち上げた「広島学院公式Facebook」に、2週間前に「川は自分の水を飲みません」という言葉で始まる文書を載せてもらいました。学院のHPからでも見ることができるので読んだ人もいるでしょうが、あらためてみんなに紹介したいと思います。

   川は 自分の水を飲みません
   木々は 自分の実を食べません
   太陽は 自分自身を照らしません
   花々は その香りを自分自身に向けて流しません
   他者のために生きることが 自然界の法則です
   私たちは皆 互いに助け合うために生まれてきました
   それがどんなに難しいことであっても…
   あなたが幸せなら あなたの人生はすばららしい
   しかし あなたのおかげで他の人々が幸せになるなら
   もっとすばらしい

   だから 次のことを忘れないでください
   刻々と変わる葉の色は 美しく
   刻々と変わる人生の境遇には 深い意味があるということを
   これらを悟るには しっかりとした眼力が必要です

   だから不平不満を言わないで
   代わりに次のことを 心に刻みましょう
   痛みを感じることは 私たちが生きている証拠です
   難題に立ち向かうことは 私たちが強い証拠であり
   祈りをすることは 私たちが一人ではない証です!

   もし これらの真理を理解し
   そして 私たちの心と知恵を整えられるなら
   私たちの人生は もっと意味のある違ったものに
   そして もっと価値あるものになるでしょう!

 これは、ローマ教皇フランシスコが発信されたメッセージで、日本カトリック医師会の中で広められているものだそうです。「このメッセージが、新型コロナウイルスと闘う皆さんの心に響き、勇気となるよう、伴に味わっていただけると幸いです」という医師会の方の言葉が添えられています。

 今、医療現場の最前線で、自分自身の身の危険を感じながらも使命感を持って全力でこのウイルスと闘っているスタッフの方々に、私たちは敬意を持って心を寄せなければなりません。まさにmen for others, with othersを実践されています。そしてもちろん、感染された方々も病気と闘っています。経済的な打撃と懸命に闘っておられる方もたくさんいらっしゃいます。そんな現実を思うと、私たちも私たちなりに、するべきことをしっかりとやっていかなければならない。
 始業式でも言いましたが、今は特に、我慢するべきことは我慢する、配慮するべきことは配慮するということが、全ての人に求められています。そのことも含め、自分のやりたいこと、やらなければならないことを見つけ、それに一生懸命に前向きに取り組むというのが、私たちが今、するべきことです。それができれば、今の時間も人生にとって意味のある時間になると思います。
 私たちも、フランシスコ教皇のメッセージから闘う力を貰いながら、みんなでこの困難を乗り切っていきましょう。

 では、この後は今日の授業の課題に取り組んでください。以上で朝礼は終わります。