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講話

1学期始業式

 63期生のみなさん、広島学院高校入学おめでとう。
 君たちにとっては、高校生になったといっても、友達の顔ぶれは変わらず担任の先生もあまり変わらず、広島学院での生活の後半が始まるという程度にしか感じないかもしれません。だけど3週間前にも話した通り、君たちは義務教育を終え、1つの大きな節目を迎えました。今までの自分を振り返って、物足りなく感じる点を改め、新たな自分へと変わるチャンスです。また自分自身の将来についても、現実的なこととして真剣に考え始めなければならない時期です。高校生になったという重み、そして広島学院高校の生徒としての責任をしっかりと自覚して、高校生活を始めてください。

 そして他のみんなも新しい学年が始まります。コロナ感染症の終息はまだまだ見えず、今年もコロナ対策を取りながらの学校生活になりそうですが、去年1年の経験を活かして、できることをしっかりとやっていきたいと思います。
 昨日の新中1の入学式も、コロナ対策で在校生は参列できませんでしたが無事に終わり、66期生184名が新たに広島学院のメンバーに加わりました。61期生から66期生までが、今日、初めて一堂に会するに当たって、みんなに配られる「生活のしおり」の第1ページ「学院の教育」と題された文書の冒頭部分を、あらためて読んでおきたい。新しい学年の始まりに相応しいと思って、今までも何度かこの時期に読んでいる箇所です。

  広島学院は、カトリックの人間観・世界観に基づいて、生徒個々の人格が「他者のために生きることを喜びとする」
  ものへと形成されていくことを目指している。そのために、広島学院の生徒は、中学高校時代の全生活を通じて、学
  力・体力・精神力を常に研磨しなければならない。広島学院の生徒は、学びの場を通して、しっかりとした価値観を
  身につけ、自らの判断力に基づいて、真理と正義と平和を希求する円満な人間へと育つことが期待されている。

 みんなもよく知っている通り、本校は men for others, with others を生きる、人に仕えるリーダーの育成を目指しています。この目標を実現するために、学院生は、毎日の授業やクラブ活動、学校行事など、学校生活のあらゆる場において、学力・体力・精神力の鍛錬に努めなければならない。これが君たちにとって「学ぶ」ということです。この学びを通して、しっかりとした価値観と、正しい判断力を身に付けてもらいたい。そして、真理と正義と平和を強く願い求める円満な人間へと育つことが期待されている。このように「生活のしおり」に書かれています。
 みんなは、この期待に応えることができるだけの優れた才能や能力を確かに持っています。だけど持っているだけではだめで、それを鍛えないといけない。それも、ただ単に鍛えるというのではなく、「自分はこうしたい、こうなりたい」というはっきりとした思いを持って鍛えないといけない。そうでないと、せっかくの才能や能力も、いずれ早いうちに、無かったものになってしまいます。それは大変勿体ないことです。

 学校は、現状に満足せず自分をもっと高めたい、そのためにたくさんのことを学びたいという意欲を持った生徒の集まる場でありたいものです。そして大切なことは、そんな生徒同士が互いに切磋琢磨するということです。昨日の入学式の新入生の「誓いのことば」にも「互いに切磋琢磨する」という言葉がありました。志を同じくする仲間同士が、互いに励まし合い、時に競い合いながらも協力を惜しまずに学問や人徳を磨き上げることです。
 みんなで楽な方向に流れていこうとする傾向のある集団は、成長しません。みんなで高めていこうとする集団は活気に溢れ、その中の一人一人がより大きく成長します。広島学院は、そんな学校でなければなりません。そういう雰囲気を、クラスの中で、また学年全体で作ってもらいたい。みんなでいい一年にしていきましょう。