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講話

2月17日 朝礼

おはようございます。
 3学期も半分以上が過ぎました。高2は、明後日から修学旅行です。平和についてしっかりと学び、あとは充分に楽しんで、みんなでいい思い出を作ってきてください。

 さて、1月の終わり頃、STAP細胞という万能細胞の作成に成功したということで、理化学研究所の小保方晴子さんが、一躍時の人になりました。このことに関して先週話すつもりでしたが、マラソン大会の表彰式になったので、ちょっと時間が経ってしまったけども、少し話をします。STAP細胞については、理科の先生に教えていただくとして、小保方さんについて書いた新聞の記事で気になったものを、みんなの中にも読んだり聞いたりした人は多いかと思うけど、いくつか拾い読みしてみます。

 「誰も信じてくれなかったことが何より大変だった」研究発表の会見で、小保方さんはこう振り返った。スタートは2008年。ハーバード大学で担当教官との議論から始めた実験で、万能細胞ができるのではないかという感触を初めて得たが、当時の実験データだけでは証明することができず、周りの研究者からは「きっと間違いだ」と言われた。悔しくて泣き明かした夜は数知れないが、あと1日だけは頑張ろうと思ってやり続けたという。

 万能細胞作成の発想や方法が常識破りだったため、昨年春、科学誌ネイチャーに投稿した際は、「過去何百年の生物細胞学の歴史を愚弄している」と酷評され、掲載を却下された。だが「必ず人の役に立つ技術だ」との信念を貫いて膨大なデータを集め、ようやく論文受理にこぎつけた。再生医療への応用については、「数十年後とか百年後の人類社会への貢献を意識して、研究を進めたい」と将来を見据える。

 一方、記者会見以降、研究成果とは関係のない報道が独り歩きして、研究活動に支障が出ている状況だ。「この研究はやっとスタートラインに立てたところであり、世界に発表をしたこの瞬間から世界との競争も始まっている。今こそ更なる発展を目指し研究に集中すべき時なので、その点を理解してほしい」と、報道関係者に自制を求めた。

 こういった記事を読むと、小保方さんは、確かに研究や実験が好きで楽しいのでしょうが、それにしても本当に心の強い人だと思います。否定され酷評されても、人の役に立つはずだという信念で頑張る、しかも50年、100年という長い先を見据えて努力を続ける、そして賞賛されても浮かることはない。ただ研究が好きだというだけでは、ここまではできないでしょう。

 「自分の力はまだまだ不十分だという自覚が、克己心の原点である」と、ある本にありました。みんなも、もし聞かれたら、ほとんどの人は「自分の力はまだまだ不十分です」と答えるでしょう。勉強にしてもクラブや他のことにしても、決して今の自分の実力に満足をしているわけではないが、だけど「いずれ本気になってやれば、それなりに力を付けることができるはずだ」という、あまり根拠のない自信を持っている人が、結構多いのではないと思います。しかし、現実はそんなに甘くはありません。やるべき時にやっておかないと、つけはたまる一方です。私たちは誰でも、やらなければならない、やった方がいいと分かっていても、なかなかやる気になれない、気力が出ない、楽をしたいということがあります。そんな時に「克己」という言葉が問われるのでしょう。例えば、小保方さんの強さを思い出したいものです。ほんの小さな1歩でもいいから、もうあと1歩でも2歩でも前に進む努力の積み重ねが、やがて確実に大きな力になっていきます。もっと力を付けたい、まだまだ不十分だという真剣な思いが有るのか無いのか、問題はそこにあるのだと思います。