2学期の中間試験、お疲れ様でした。今日から次々と答案が返却されていきますが、ただ点数に一喜一憂するだけでなく、これまでの自分の取り組みを正直に振り返る機会にしてください。
さて、イエズス会では、「For others, with others」のために必要な具体的な4つのポイントとしてCompassion(思いやり・共感)、Conscience(良心)、Competence(能力、有能さ)、Commitment(献身、実行力)を「4C’s」(4つのC)として、大切にしていることを9月7日の朝礼でお話ししました。9月は「学歴とCompetence」のお話でした。今日は、この4C’sのうち、「Conscience(良心)」にスポットを当ててみたいと思います。
1ヶ月前の体育祭で、私の目に焼き付いているある高2の生徒の姿があります。それは、スタートの際、フライングがないかを極めて厳格な姿勢で判定していた審判の生徒です。
競技が白熱し、流れができている中でフライングの笛を吹くことは、勇気が要りますよね。選手や応援する側からは、「これぐらいのタイミングなら、見逃してくれよ」という空気が流れることもあります。実際にやり直しを命じられた時、がっかりしたり、少し憤然とした感情を見せたりした人もいたかもしれません。
しかし、その審判の生徒は、周囲のそうした空気や不満に一切流されることなく、自分の役割に責任を持ち、最後まで毅然とした態度を貫いていました。大勢の熱狂の中で自分を見失わず、正しいジャッジを下す。これは、大人でもなかなかできることではありません。
この審判の生徒が発揮した力こそが、まさに「Conscience(良心)」です。 イエズス会教育において、「Conscience」とは、「何が正しいことかを自分の心に問うこと。周りの空気に流されたり、損得で動いたりするのではなく、何が本当に善いことかを立ち止まって考え、自ら選択する力」のことを示します。
今日からの「答案返却」という日常の場面にも、皆さんの良心Conscienceが問われる瞬間がたくさんあると思います。例えば…採点ミスがあった時。黙っていれば、良い点数のままです。誰も気づかないかもしれません。しかし、そこで心の奥底から「これは自分の本当の実力で得た点数ではない」という小さな声が聞こえたなら…その声に耳を傾け、自ら先生に申告できるか。点数が下がるという自分にとっての「損」を受け入れてでも、正直さという「善」を選ぶか。これも立派なConscienceの発揮です。
あるいは、友人が誰かの低い点数をからかったり、見下したりしている場面に遭遇した時。その場の「空気を読んで」一緒に笑ってやり過ごすのは簡単です。しかし、そこで「それは違う」と心の中で立ち止まり、同調しないこと、さらには「そんなことやめようや」と周囲への呼びかけることも、強い良心の働きです。
私たちは日々、「見逃したほうが盛り上がる」「黙っていたほうが得をする」「空気を読んだほうが楽だ」という葛藤の中で生きています。しかし、その安きに流されそうな瞬間にこそ、自分の役割と公正さを選び取る強い意志を持ってください。そして、そうした行動をとる仲間に対して、心からの敬意を示せる人であって欲しいと強く願っています。